小野不由美氏の書く「十二国記」という大人気シリーズがあります。
現在は新潮文庫で全11冊出ており、2019年10月12日に待望の新刊が発売されます。
この十二国記シリーズは、いくつかの小説群からなるのですが、題名に「十二国記シリーズ1」などという明記はないため、どこから読めばいいのか、初めはちょっと迷います。
そこで、十二国記シリーズファンとして、初めて読む方へ、どこから読むのがいいか、おすすめの順番をご紹介します!
十二国記シリーズ一覧
まず、現在発刊されている十二国記をざっとご紹介します。このシリーズは未だ未完のため、今後増える可能性があります。
十二国記シリーズ一覧
episode0 魔性の子
episode1 月の影 影の海(上・下)
episode2 風の海 迷宮の岸
episode3 東の海神 西の滄海
episode4 風の万里 黎明の空(上・下)
episode5 丕緒の鳥
episode6 図南の翼
episode7 華胥の幽夢
episode8 黄昏の岸 暁の天
episode9 白銀の墟 玄の月(1・2・3・4)
episode0~9は、新潮文庫になって振られたナンバーです。主に刊行順なのですが、一部違う部分もあります。
十二国記はどこから読む?おすすめの読む順番
十二国記はシリーズものですが、時系列順に進んでいるわけではありません。
さらに、いくつかのスピンオフ的物語や短編集もシリーズの中に入ってきています。
1つ1つは一応、1つの物語として完結するため、単独で楽しめないわけではありません。
そのため、どこから読んでもある程度は楽しめるのですが、やはり世界観を理解するためにも、おすすめの読む順番があります。
1番最初に読むなら陽子の話
一番はじめに読むならおすすめはやはり陽子の話です。
文庫版ではepisode1とされている「月の影 影の海(上・下)」から読み始めるのが順当です。
「月の影 影の海(上・下)」は、一番最初にティーンズ小説として刊行された当初から、シリーズの一番最初として位置づけられている作品です。
そのため、世界観や登場人物の説明が、丁寧に少しずつされていくため、物語の背景を理解しやすく、唐突な印象も受けにくいと思います。
文庫本で上・下巻となり、結構な長さで読みごたえはたっぷりですが、勢いのある展開で最後までぐいぐいと引っ張られていくため、面白く読み切れると思います。
2番目以降はepisode2から順番通りに
episode1「月の影 影の海(上・下)」 を読み終わったら、次はepisode2から順番に読み進めるのをおすすめします。
途中、スピンオフや短編集なども入ってきますが、すべて読めばそれだけ面白いのが十二国記です。
では、初めに飛ばした、episode0の魔性の子はどうするの?というのが、読者でも見解が分かれているところです。
魔性の子はどこで読むのか?
新潮文庫ではepisode0、文庫の帯には「この物語は、ここから始まる すべてのプロローグです」と作者自らの言葉として紹介されている「魔性の子」については、 ファンの間でも見解が分かれています。
この「魔性の子」という作品は確かに、一番古く書かれた作品で、初めから新潮文庫にて刊行されていました。
その後、十二国記として 「月の影 影の海(上・下)」 以下がティーンズ文庫の講談社X文庫ホワイトハートにて順次刊行。そのため、当初は「魔性の子」は十二国記シリーズといっていいのかどうなのか・・・判断に迷うところでした。
さらに、「魔性の子」は、完全にホラー小説です。人がガンガン死んでしまいます。 そういう意味で、ほかの作品と比べて毛色の違いは明らかで、ティーンズ文庫には入れられなかったのか・・・
「魔性の子」の内容は、十二国記を理解するには欠かせないものではあるのですが、
- とにかくホラー小説であること
- 内容がかなり重いこと
より、十二国記を初めて読む方に、一番最初に読むべき作品だ、とは言いにくいのです・・・
では、どこで読むか、個人的なおすすめをご紹介します。
「月の影 影の海(上・下)」の後、「風の海 迷宮の岸」の間に読む
個人的にはこの順番がベストかな、と思います。
「月の影 影の海」で十二国記の世界をある程度知って、主要登場人物をさらった後で「魔性の子」を読むと、ある程度ピンとくる部分もあって読みやすいのではないか、と思います。
ただ、繰り返しになりますが、「魔性の子」はかなりホラーなので、「月の影 影の海」と同じ作風だと思って読み始めるとしんどいです。
「風の海 迷宮の岸」の後、「黄昏の岸 暁の天」を読む前までに読む
ネタバレにならない範囲で・・・「魔性の子」と「風の海 迷宮の岸」の主人公は同じです。なので、「風の海 迷宮の岸」の後に「魔性の子」を読むと、いろいろと腑に落ちることもあって読みやすいと思います。
更に、「黄昏の岸 暁の天」も後日談にあたるため、「魔性の子」を読むのであれば、「風の海 迷宮の岸」のあと、「黄昏の岸 暁の天」までの間で、読めそうなときに読むのが良いと思います。

分厚いホラーを読み切れそうな気分の時がおすすめです
最新刊に向けて本編だけをとにかく追いたい場合の読む順番
2019年10月12日 には、待望の本編の最新刊が発売されるので、とにかく手っ取り早く本編の内容だけを追いたい、スピンオフや短編集は後回しでいい、という場合のおすすめの順番をご紹介します。
十二国記は12の国の物語ですが、現在のところ、本編にあたるのは「陽子の話」と「泰麒の話」の2本立てです。
本編のみをピックアップ
スピンオフと短編集を除き、本編のみをピックアップすると以下の通りです
泰麒の物語のみピックアップ
最新刊「 白銀の墟 玄の月」は泰麒の物語とのことなので、手っ取り早く泰麒の物語追うのであれば
この順番です。「月の影 影の海」は泰麒の物語ではありませんが、読み飛ばすとおそらく世界観が理解できないので入れておきました。
魔性の子は「黄昏の岸 暁の天」の前までに、好きなタイミングでいいと思います。
陽子の物語のみピックアップ
最新刊の主要登場人物ではないですが、本編の陽子の物語のみをピックアップすると以下の通り
・・・思ったより少なくてちょっとびっくりしましたが、「月の影 影の海」「風の万里 黎明の空」ともに上下巻のため、読みごたえはあります。
スピンオフ作品はいつ読むのがおすすめか(episode順に読まない場合)
十二国記シリーズには2つ、非常に人気の高いスピンオフストーリーがあります。
基本的にはepisode順に読んでいけばいいのですが、取り急ぎ先に本編だけを追って読んだ場合や、長い本編に取り掛かる前にまずは人気の高いスピンオフを読んで雰囲気をつかんでみたい、という人もいるでしょう。
では、上記の2作品「東の海神 西の滄海」と「図南の翼」はどのタイミングで読むのがおすすめでしょうか。
この2作品は、本編とは時代がかなり異なり、独立性の高い作品です。そのため、本編の進行状況とは切り離して考えて大丈夫です。
ただ、初めて十二国記シリーズを読む場合には、その世界観や仕組み(王と麒麟の関係など)を理解する必要があります。
よって、イントロダクションとして「月の影 影の海」だけは先に読んでおいた方がいいです。「月の影 影の海」さえ読んでおけば、十二国記の世界についてある程度知識が入るため、どのタイミングで読んでも楽しめると思います。
十二国記シリーズはどこから読むんでもいいの?読む順番のおすすめ まとめ
十二国記は1つ1つの作品が大作なことが多く、また作品数も多いため、どこから手を付けていいのか迷ってしまうと思います。
とにかくおすすめは、
- 「月の影 影の海」から読み始めること。
- 間違っても「魔性の子」スタートは避けておくこと
ここだけは強調しておきます。
十二国記は短編集はどちらかというとしっとりした小説が多く、スピンオフはかなり面白いので、ぜひ本編以外にも読んでみてほしいなと思います。
それでは!
十二国記シリーズ一覧
episode0 魔性の子
episode1 月の影 影の海(上・下)
episode2 風の海 迷宮の岸
episode3 東の海神 西の滄海
episode4 風の万里 黎明の空(上・下)
episode5 丕緒の鳥
episode6 図南の翼
episode7 華胥の幽夢
episode8 黄昏の岸 暁の天
episode9 白銀の墟 玄の月(1・2・3・4)
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