雑文

【3000文字チャレンジ】井戸端会議教室・体験説明会

※この記事は、3000文字チャレンジという企画参加用のものです。ほかの通常の記事とは全く異なり、以下、特にためにならないだらだらとした(他の3000文字チャレンジと比較しても相当なんともいえない)文章が延々と続きます。ご承知おきください。

 

はい、では、時間になりましたので始めさせていただきます。

本日は、井戸端会議教室の体験説明会にご参加頂き、ありがとうございます。

お子様は、別室にて、実際の授業にまじって、教室の雰囲気や進め方などを体験していただいています。

保護者の方々には、私の方から、当教室の概要、狙いについて、できるだけ細かくお伝えできればなと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、まず当教室の名前ですね。なぜ井戸端会議教室などという、変わった名前なのかと言いますと…実は再来年度の小学校の教育指導要綱より、井戸端会議教育というものが組み入れられることが決まりました。

これを受けまして、当方では学校の井戸端会議教育開始に先駆け、対応する教室を開講した、というわけです。

井戸端会議教育の導入についてご存知の方、どのくらいいらっしゃいますか?

ああ、やっぱり、この体験教室においでいただいた方は、井戸端会議教育についてご存知か、なんとなく聞いたことがあるのがほとんどです。

ですが、実は一般的にはまだほとんど周知されてはおりません。

というのも、この井戸端会議教育というのは、教科として設置されるというものではなく、国語や算数といった一般的な科目の授業の進め方の中に、さりげなく取り入れていくという方針だからですね。

ですから井戸端会議教室に通ったからといってすぐさま成績に直結する、という類の教室ではありません。

しかし、政府はすくなくとも再来年からしばらく、井戸端会議教育は継続する方針のため、井戸端会議教育による授業に適応できない場合には成績は上がりにくいと考えられます。

本教室の目的は、まずは再来年に開始される井戸端会議教育による授業に馴れる、そして積極的に参加できるようにすること、とお考え下さい。

 

さて…いまここにいらっしゃる保護者の方々は、井戸端会議教育について何となくご存知であるとのことですが…実際どのような授業が行われるのか、についてはイメージがわかないかと思います。

と言いますのも、今回の井戸端会議教育、実は全く新しい取り組みのため…まだ誰も経験したことがないのです。

保護者である我々、あ、わたくしも小学生の息子がおりますが、全く未知の教育方針、それが井戸端会議教育でありまして、文部科学省が思い切って取り入れることにしたある意味実験的試みです。

しかし、わたくしを含め、当社はこの教育方針は画期的なものであると、現在の教育現場においてきている様々な問題、課題に対応できる新しい試みであると考え、いち早く、このような講座、教室を設けさせていただきました。

・・・少々前置きが長くなってしまい申し訳ございません。なにぶん、背景からお話ししないとわかりにくいものですから…はい。

では、本教室の具体的内容についてお話していきます。文部科学省が示した教育指導要綱についても随時触れていきますので、何かご質問がありましたら、最後に質疑応答のお時間を設けさせていただきますので、よろしくお願いいたします。

まず、井戸端会議教育とは何か、というところから・・・皆様、井戸端会議についてはご存知でしょうか。言葉は知っている、というところでしょうか。ええ。そうですね。井戸端会議自体はもはや、かなり過去のものといったところですね。

簡単にご説明いたしますと、井戸端会議とは元は江戸時代頃より、井戸の周りに女性たちが集まってはたわいない話や噂などに興じた様です。

その後井戸はなくなっていきますが、ご近所の主婦などが集まって玄関先などで長々と立ち話をする光景などは、いつ頃まででしょうか…昭和、平成の初め頃まではよく見られました。

その後急速にインターネットやスマートフォンなどが発達するに伴い、そのような光景は見られなくなっていき、現在に至ります。

人々、特にこの場合は女性ですが、話をすることを嫌うようになったということではなく、いわゆる井戸端会議的な世間話の場が、オンライン上、ツイッターやラインといったサービスなどの上で行われるようになりました。

しかしあくまで井戸端会議とは、人と人とが面と向かって、顔を合わせて行うもの、と定義しますと、現在オンライン上で行われているような「会話」は井戸端会議ではありません。あくまでオンライン上の「情報のやり取り」です。

井戸端会議教育とは、この、今や疎遠になりがちな、一対一、または複数での、対面しての会話の重要性を再確認し、小学校教育に取り入れていこう、というものです。

ネット環境の急速な普及により、リアルタイムで情報のやり取りが可能になった今、音声や映像までもがタイムラグなくやり取りができる今、人間同士が顔を合わせることの意味や価値などが薄れたように考えられていた時期もありました。

しかし結果的に、昨今の子供、若者の様子を見るに、20年ほど前に比べて明らかに「空気が読めない」「察しが悪い」という様子が見て取れます。

文部科学省が独自に行った調査によっても、文字や言葉といった明らかに表に出された情報以上のもの、例えば相手の「表情」「声音」「しぐさ」「気配」といったところから、言葉や文字にあらわされている以上の情報を読み取る力の低下が、近年特に顕著であるという結果が出ています。

昨今のツイッターやラインを代表とするオンライン上での情報のやり取りであっても、端末の向こう側には生身の人間がおります。情報の向こう側には人間がいて、それぞれの感情があります。

面と向かって、目に見える状態で相手がいてさえ、その表情、気配などから相手の感情を読み取れなくなってきている子供達が、オンライン上での情報の向こう側の感情を読み取ることは至極困難です。

そのような、いわゆる察しの悪さが、近年様々な形で現れてきており、一種社会問題化しております。

この傾向は、放置すればますますひどくなると考えられます。そこで文部科学省は状況を打破すべく、井戸端会議教育の導入に踏み切りました。

つまり、人間古来の情報伝達の方法、つまり顔を合わせての会話の重要性を再認識し、積極的に取り入れることで、対面でのコミュニケーション、ひいてはオンライン上でのコミュニケーション能力の向上を目指そう、というわけです。

 

さて…では本教室では具体的にはどのような活動をするか、という点についてお話していきます。

対面でのコミュニケーションをもう一度再構築する、と先ほど申しましたが、それは以前、つまり我々が子供の頃受けていた授業の形式とは異なります。

つまり、1対多数による授業や、挙手による発言、指名による受け答え、といったものは、個々のコミュニケーション力の向上にはあまり意味がない、と考えています。

そのような形式をとると、みんなの前での発言が得意なものが目立ち、大勢の前では緊張してしまう子どもはあてられないように存在感を薄くします。

目立ちたい子供が目立ちやすいことは確かですがそのような子供は少数派で、ほとんどの子供はなるべくあてられたくない、という思いのもとひたすら受け身になります。

しかし、社会生活を考えたとき、全体の前で発表する、という機会のほうが実はまれであるのは、ご存知かと思います。

日常的コミュニケーションとは、基本的には近い距離で、全体が把握できる程度の人数で行われます。

小学校に導入される井戸端会議教育もまた、いわゆる日常的コミュニケーション能力の向上を目指しますので、本教室でも、実践に即した形で進めていきます。

基本的には1対多数の、対話を用いた交渉です。単純に討論せよといっても子どもは乗ってこないので、もっと具体的な、子供の興味を引く目標を提示して、それをかなえるべく個々が活動する、という方式をとります。

2つに分かれて討論する、という方式はとりません、そのような方式ですと、先ほどの教室の事例と同じように、活動的ではない子供は受け身になります。

子供達の興味を引く目標を決めるのが一番難しいのですが…例えば次の課外活動は海がいいか山がいいか、など、現実になりうるテーマを決めて、最終的には多数決を取ります。

その決を採るまでの期間を十分にとり、それぞれで「話し合い」や「駆け引き」、「協力」や「勧誘」、一種の「多数派工作」や「票読み」などを促します。

子供によって、山がいい子、海がいい子、どちらでもいい子もいるでしょう。自らの目的のために、自ら考えて動く。時には強く主張し、時には譲り、打算で動くこともあるでしょう。

そのような、一般社会ではごく当たり前に行われている活動を、「ごく安全に、守られた条件下で繰り返す」ことにより、現在失われつつあるコミュニケーション能力、対人スキルの向上を狙います。

子供に「駆け引き」や「打算」や「人の顔色を見ること」を教えるのは教育上よくないのではないか、という声も、当然あるかと思います。

しかし・・・考えてみれば、それは人として社会生活を送るうえで、むしろ当然ではないでしょうか。

生まれて間もない赤ちゃんですら、母親の表情や声色を認識し、ときに対応を変えるといいます。人間はもともと、他の存在の声色や気配、表情といった情報から多くを察しながら、集団で生きていくのが本質なのです。

井戸端会議教育は、あくまで教育の一環です。ですので、我々スタッフが全体の把握をするよう注意を払います。

交渉期間中、人道的、道徳的にふさわしくない交渉方法、例えば脅す、金品で懐柔する、弱みをにぎるといったことや、一人を執拗に攻撃したり、仲間はずれにしたりといったことが起こらないよう促しますし、怒った場合にもきっちりと対処いたします。

しかしそれ以外には、基本的には子供達の自由活動をなるべく妨げることなく、あくまで主役は子供達である、という態度で見守ります。

そのようにして、まずは対面での会話に慣れる。次に、自分の意見を相手に伝える。さらには、自分の希望をかなえるには、どのような働きかけをしたらいいのかを考え、実行する。

井戸端会議教育は、前例のない、まったく新しい教育方針です。子供達も戸惑う部分が多いだろうと予想されます。

小学校での導入に先駆けて解説したしました当教室が、そんな子供達の助けになれればと考えています。

以上、長くなりましたが、お聞きいただきましてありがとうございます。

では、質疑応答にうつらせていただきます。

ご質問等ございましたら挙手で…あ、ではそちらの、青い服の方…今マイク回しますので、よろしくお願いいたします・・・…

 

※井戸端会議教育は、当然ながらフィクションです。

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