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岩井俊二監督「ラストレター」の感想・レビュー

2020 2/03
岩井俊二監督「ラストレター」の感想・レビュー

岩井俊二の最新作ということで前からチェックしていた「ラストレター」、ついに見に行きました。

観賞後の率直な感想としては

  • これは、評価が割れる、だけど私はすきだ!
  • 劇場で見ておいて良かった

です。

では、鑑賞直後の余韻のままに、映画「ラストレター」の感想、レビューです。

目次

岩井俊二監督「ラストレター」の感想・レビュー、気になったことなど

岩井俊二っぽさ、全開

まず、本作は岩井俊二作品である、ということ。これが前提にあると思うんですよ。

それだけ、岩井俊二っぽさ満載の、どこからどう見ても岩井俊二作品です。

なので、岩井俊二監督だから、という理由で見に来たような私のような人であれば、きっと満足だろうと思います。

岩井俊二という名前にさほど印象がない、特に意識せずに見た、という場合には、評価はかなり割れるだろうと思います。

どハマりする人と受け付けない人と、両極端な傾向があるのが岩井俊二監督作品です。

岩井俊二監督、安定の映像美

岩井俊二監督といえば独自の世界観を持つフレームワークと映像美。

初めてみる映像でも、あ、これ岩井俊二監督じゃないかな、とか分かったりします。

全体的に淡くノスタルジックな雰囲気と、目に焼き付いて消えないような圧倒的に美しいシーンというイメージです。

なつめ なつめ

リリィシュシュのすべて」で主人公が田んぼの真ん中にたたずむシーンとか、「花とアリス」で桜が舞い散るシーンとか。
見ているだけで涙が出そうな、そんな映像美

ラストレターでは、全体的に抑えめな、淡いトーンの映像はいつもの通り、ただ、ものすごく印象的なシーンはあまりなかったかな、と思います。

そのかわり、何気ないシーンの一つ一つが押し並べて美しい…

ストーリー的に、「まだ何者にもなれると信じていたあの頃」の回想シーンも多く、きっと誰もが多かれ少なかれ持っている「さほど特別ではなかった高校時代の思い出が、うっすらと美化された思い出になってる感」がそのまま映像になって流れるようです。

さりげなく、それでいて、夢のように美しい・・・そんな映像が沢山出てきました。

2人の美少女(広瀬すずさんと森七菜さん)の圧倒的透明感

物語のヒロインとなる人は、作中では既に亡くなっています。物語は、ヒロインの葬儀の場面から始まる。

なので、物語の中のヒロインのシーンは回想シーンと、ヒロインと瓜二つの娘が担うことになりますが、これを広瀬すずさんが演じます。

もう1人、回想シーン中でのヒロインの妹と、ヒロインの娘役を演じるのが森七菜さん。

この2人の美少女ツーショットがすごい。すごい秀逸。

庵野監督が出演

ところで庵野さんが出ます。庵野さんて、エヴァの庵野監督です。

庵野監督、私がこれまで見てきた日本映画では時々登場するので不思議ではないのですが、前情報は仕入れていなかったちめ、登場した瞬間、あ、庵野さんや、とちょっとびっくり。

ちなみに、庵野監督が監督業ではなく出演側で出た作品で一番有名なのはスタジオジブリの「風立ちぬ」です。

ストーリーはわりと普通

「ラストレター」は、ネタバレしたからといって特に問題はないタイプの作品だと思うのでざっくりあらすじをまとめると、

高校時代に生徒会長をつとめて学年男子の憧れの的だった美少女・未咲。その未咲が亡くなり、折しも行われた未咲の高校の同窓会に、その事実を伝えようと妹・裕里が参加したところ、姉と間違えられてそのまま姉のふりをしてしまう。

裕里は、自分の初恋の相手であり、未咲のことが好きだった鏡史郎(今は売れない小説家)と、同窓会で再会、ひょんなことから姉のふりをして文通することになる。

鏡史郎のが出した返事が未咲との一人娘である鮎美(未咲とそっくり)に届いてしまい、鮎美まで未咲のふりをして鏡史郎に手紙を出し始め・・・、鮎美は母の同級生だった鏡史郎の存在を、鏡史郎は未咲の死の真相を知ることになる・・・

死の真相、などといっても特別ミステリー色が強いわけでもなく、ストーリー的には意外な点もない、はっきり言ってしまえば、物語の序盤でなんとなく想像できた通りに進んでいくので、予想外なところは特にありません。

淡々と、静かに進む、いわゆる邦画っていう感じの作品です。

突っ込みどころは結構ある

高校時代からずっとずーっと一人のことを想い続けちゃってる中年男性ってどうなの、とか。

初めて会った見知らぬおじさんを、保護者(鮎美は両親がいないので祖父母です)がいないのに勝手に家に上げるとか危ないからダメでしょ、とか。

義母のボーイフレンド?らしきよく知らない人の家でしょっちゅう手紙書いてるのってかなり不自然じゃない?とか。

突っ込みどころは実は満載です。そのあたりにいちいち突っかかってしまうと、作品全体の良さが入ってこないと思うので、そのあたりはおおらかな気持ちで流すのが良いと思います。

エンディングがいい

エンディングは、裕里の学生時代と裕里の娘・ 颯香(この親子も顔が瓜二つという設定)を演じる森七菜さんがうたう「カエルノウタ」です。

森七菜さんの素直で伸びやかな。透明感ある声の響きはこの映画の世界観によく馴染んでいます。

美しいけれど切ない、どこか痛みを内包した…でもだからこそ美しい。そんな世界観だったなと、エンディングが流れ始めて改めて思い知るような感じ。

小説版「ラストレター」が気になる

最近、書店で新刊チェックする時間がないもので見落としていましたが、映画公開に先駆けて、岩井俊二監督が書いた小説版「ラストレター」が刊行されていました。

映画より先に刊行なので、ノベライズ、というよりは原作小説に近いのかな、と思います。

私は未読のままで映画を見たので、これから小説を読む予定なので、小説「ラストレター」は映画を見る前に読むべきだったのかはちょっとわからないのですが・・・

映画だけではいくつか消化不良の部分もあったため、そのあたりが小説版ではどうなっているのか、また読んでから追って書く予定です。

「ラストレター」は劇場で見るべきです!

一応、ヒロインがなぜ亡くなったのか、が徐々に明らかになる展開とはいえ、ミステリーというには弱く、劇的な展開のないままゆるゆると進む邦画らしい邦画です。

わかりやすい事件が起こるわけでもなく、何かがスパッと解決するわけではない。

起きてしまったことはなかったことにはならないし、後悔は募ったまま、昇華しきれない恋心を抱え続ける中年作家やら、救済のないまま残された娘やら…決して大団円なんかではない終わり方。

世界は残酷で、生きていくなのも碌なことなくて、晴れない悔恨と不甲斐ない思い出。

未来にはもう、希望ばかりを思いがけないとしても、そうだとしても、それでもそっと前を向くのだろう…

地味で、人によってはだから何…という感想になるかもしれない。そんな映画。だから、だからこそ本作は劇場で見るべきだと思います。

さりげなく。それでいて計算され尽くしている映像美。音。展開が地味だからこそ、その全てを、劇場で存分に体感すべき。

劇場で見るのと自宅のテレビで見るのとでは、だいぶ価値が変わる作品だなと思いました。

それでは。

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