私はおそらく全身性金属アレルギーです。おそらくというのは、一年以上様々な皮膚科をめぐり、国立病院まで行ったにもかかわらず、明確な診断がされなかったからです。
病院をたくさん回っているので、検査もかなり受けました。
全身性金属アレルギーが疑われる時、どのような検査が行われるか、自身の経験をもとに解説します。
初見から全身性金属アレルギーとわかることはほとんどない
全身性金属アレルギーは、食品に含まれる微量な金属に反応してアレルギー症状がでます。
しかし、おそらくどんな名医でも、初見で「これは全身性金属アレルギーだな」と分かることはありません。
なんらかのアレルギー症状である、との見立てから、まずは一般的な食品アレルギー、または化粧品や石鹸、衣服などの接触性のアレルギーが疑われます。
アレルギー症状の出ている場所が耳(ピアス)や手首(腕時計)の場合は、接触性金属アレルギーが疑われます。
アレルギー検査の色々
アレルギー検査には色々ありますが、一般的なのは、以下の3つです
- 血液検査
- プリックテスト
- パッチテスト
血液検査:食品アレルギーが疑われた場合
皮膚科で、食品アレルギーではないか、と疑われた場合、まずは血液検査になることが多いです。
採血して、検査機関に送ると1週間ほどで結果が戻ってきて、アレルギーの疑いのあるものが数値で出てきます。
この時、検査項目(卵、とかピーナッツとか)はあらかじめ指定して検査に回します。
医療機関にもよりますが、アレルギーに強い病院であれば、問診でかなり細かい指定をして検査に回してくれます。
思い当たる食材があれば、検査をしてみるのが良いです。
プリックテスト:食品アレルギーのが疑われた場合
同じく食品アレルギーの疑いありの場合、プリックテストという検査もあります。
皮膚(腕の内側など、皮膚の薄い場所)をピンのようなもので少し引っ掻き、その上にさまざまなアレルゲンの検査液を落として反応を見ます。
直接皮膚に傷をつけてアレルゲンつけるため、血液検査に比べると実態に即した結果が出やすいとのことです。
デメリットとしては、医療用に調整されているとはいえ、アレルゲンと直接触れ合うことになるため、過敏に反応すれば腫れ上がったりする可能性があります。
食べ物のほか、カビやダニ、花粉、ハウスダストなどもプリックテストで調べられる病院があります
パッチテスト:接触性アレルギーが疑われた場合(金属アレルギー含む)
アレルゲンを染み込ませたガーゼのようなものを、一定時間肌にはりつけて、その反応を見ます。
シャンプーや石鹸、化粧品など、肌の上につけるものでのかぶれや、腕時計や貴金属での金属アレルギーが疑わらら場合に行われます。
歯科金属アレルギーの可能性もあるため、一部の歯科でも金属アレルギーのパッチテストをおこなっています。
金属アレルギーのパッチテストは常時実施せている皮膚科は少なく。基本は予約制です。
パッチテストは、検査材料を背中などにはりつけて48時間、その後剥がし、経過を1週間観察、というようなスケジュールで進みます。
この間なるべく汗をかかないようにとか、細かい制限がかかります。
はりつけて一定期間、シャワーや入浴に制限がかかったり、複数回病院に行かなくてはならなかったりと、色々と面倒な検査です。
アレルギーは検査結果が全てではないし、特に全身性金属アレルギーは結果が出ないこともある
私は上記の血液検査、プリックテスト、パッチテストのすべての検査を複数回行っていますが、なんといずれの検査結果も陰性でした。
顔が真っ赤に腫れ、腕の皮がむけて浸出液が出ているような状況ですら、です。
アレルギー検査は、アレルゲンの特定のヒントにはなりますが、完全ではありません。
そしてアレルギーにかんしては、実情が全て、です。
つまり、検査結果が陽性でも、食べたりしても何も起こらなければアレルギーはない。ですし、検査結果が陰性でも、摂取したり接触して湿疹などの反応が出るので荒れば、アレルギーあり、なのです。
全身性金属アレルギーは検査では分かりにくい可能性があるけど諦めないで!
私は数年前、腫れ上がった顔と、皮がズル負けていたためガーゼでぐるぐる巻きの手をしながら、病院を巡り歩いていました。
いくら検査してもなんの結果も診断も出ないまま、治療の方針すら立たず呆然としながら、ネットで調べまくっていました。
そして、どうやらナッツを食べた数時間後に腹が増す、ということにようやく気づき、さらにネットで調べまくって全身性金属アレルギーの可能性に行きつきました。
その後、全身性金属アレルギーの知識がありそうな先生を探して出して遠方まで行き、ようやく「おそらく全身性金属アレルギーなんだろうね」という、診断らしきものにたどり着きました。
そこまでたどり着くのに、症状が出てから、1年ほどはかかりました。
地元の病院では無理だった、なんとか自力でなんとかたどり着いた、という自負があります。
今、当時の私と同じように、なんの手がかりもないまま、原因不明のアレルギーに悩んでいる方がもしかしたらいるのではないか、あまりの情報の乏しさに絶望感を感じている人がいるのではないか、と思っています。
もちろん、原因不明なアレルギーでもさまざまなことが考えられます。
ただ、もしかしたら全身性の金属アレルギーかもしれないですよ、ナッツや豆で出るなら可能性は高いですよ、ということが、必要な方に届けばいいなと切に祈っています、ら
それでは