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図南の翼(十二国記episode6・小野不由美)あらすじと感想

2020 1/10
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図南の翼(十二国記episode6)あらすじ

珠晶(しゅしょう)は恭国の豪商の娘、若干12歳。

恭国の王の不在が27年、いまだ新王が現れず、国の治安は乱れ、徐々に確実に傾いていく。

珠晶は恵まれた立場で、何不自由のない生活を続けていたが、心の中ではずっと国の荒廃を憂いていた。

「なぜ、新王は見つからないの?なぜ、お父様は、周囲の大人は、みんな蓬山目指して昇山しないの?」

新王が立たなければ、国は安定しないのに!

聡明で勝気な珠晶はついに決断する。

「大人が行かないのなら、あたしが昇山するわ!あたしが恭国の王になるのよ!」

家出同然のようにして家を飛び出し、一路、世界の中心、黄海を目指す珠晶は無事、蓬山にたどり着くのか?12歳の少女は果たして王として選ばれるのか

十二国記シリーズepisode6の物語。生意気で勝気で、愛すべき少女のスピンオフストーリー。

図南の翼 (十二国記episode6) 感想

十二国記シリーズは本編はもちろん素晴らしいのですが、スピンオフもまたとても魅力的です。

この「図南の翼」は本編とは直接はかかわりなく、またもう一つのスピンオフである「東の海神 西の滄海」の主人公延王、延麒ほどはほかの作品に顔を出さない珠晶の物語ですが、読者の間でも非常に人気の高い作品です。

なにがいいって・・・それはもう珠晶その人が!

とんでもなく勝気で生意気で、正義感が強くて聡明で愛らしい。もはや完璧すぎるヒロイン像。

物語が進むにしたがって、この珠晶という少女の魅力に、多くの読者が取りつかれてしまうのです。

12歳の少女が麒麟の選定を求めて昇山する。この、昇山という、十二国記の世界独特の習わしについて、一番詳細に書かれている作品でもあります。

黄海とはどういうところなのか、妖魔・妖獣の跋扈する世界の描写も細かく、十二国記の世界観の理解をより深めることができるので、本編にはほぼ絡みませんが、どこかのタイミングで読むことをおすすめします。

この「図南の翼」は、ほとんどほかの作品と干渉しあわずに(実は少し出てくる作品がありますのでぜひ探してください)成立する物語のため、 これ単独で読んでも十分楽しめる物語となっています。

多少世界観の理解にてこずる可能性はありますが、物語自体は分かりやすい冒険ものですし、全体を流れる雰囲気も珠晶の気質に引きずられて明るく闊達なため読みやすいです。

なので十二国記を初めて読む、という方にもお勧めできる作品です。(その場合は、十二国記の世界観を理解するためepisode1「月の影 影の海」をまず読んでおく方がベターです)

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