2019年12月13日にアニメ「ぼくらの7日間戦争」がロードショーになります。
ぼくらの7日間戦争、と聞いて、ちょー懐かしい!!これは見たいよ!と脊髄反射的に思った方も多いのではないでしょうか。
それくらい、宗田理氏の「ぼくらシリーズ」は子供達の心をつかみ大ヒットしたベストセラー、「ぼくらの七日間戦争」はそんなぼくらシリーズの記念すべき第一作。
宮沢りえさんの初主演作として注目を浴びた映画「ぼくらの七日間戦争」は、原作と異なる点も多かったものの、それなりに原作に沿っていた作品で、話題となりました。
そんな「ぼくらの七日間戦争」が、2019年の冬についにアニメ化!!!と興奮した方、ちょっと待って!
今回のアニメ映画「ぼくらの7日間戦争」は、実写映画版のリメイクでもなければ原作とも全く違う、まったくのオリジナルストーリーなのです!
公開前で物語の詳細はまだわかっていませんが、現段階でもわかる原作との違いについてまとめます。
ちなみに私は、原作「ぼくらシリーズ」の熱狂的読者(小学生)でした!
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」と原作との違い
そもそも、まったく違うストーリーなので、原作との違いなんてそれこそ「すべて」なのですが、気になった点をいくつか。
主人公が違う
当然ながら登場人物が違います。
小説のぼくらシリーズの中心的な存在は、「菊池英治」「相原徹」「中山ひとみ」他多数です。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」の主人公は「鈴原守」と「千代野綾」
主人公たちの年齢が違う
小説のぼくらシリーズ では、登場人物たちは成長していきますが、第1作「ぼくらの七日間戦争」では中1。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」の主人公たちの年齢は高2です。
時代が違う
原作小説「ぼくらの七日間戦争」の発行は1985年。物語も同時期頃を舞台にしていると思われます。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」の舞台は2020年です。
立てこもった理由が違う
原作小説「ぼくらの七日間戦争」では、教師の生徒への体罰やモラハラ、過度の管理教育に対して中学生が反旗を翻す形で宣戦布告、自由と開放を求めて自分たちの作った解放区へ立てこもります。
明らかに、学生運動が意識されています。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」は細かいストーリ展開はまだ不明ですが、主人公「鈴原守」がひそかに思いを寄せる幼馴染のヒロイン「千代野綾」が大人の都合で引っ越しを余儀なくされ、「せめて17歳の誕生日はこの街で」との綾の想いを受けて逃げる。秘密基地で、大人から隠れてバースデー・キャンプをする、という展開。
宣戦布告というより逃避行、しかも動機はまさかのラブ要素
立てこもる人数が違う
原作小説「ぼくらの七日間戦争」では、クラスの男子のほとんどが立て籠る、という大掛かりな展開。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」では、バースデー・キャンプに参加するのは主人公とヒロインとその友達、計6人と思われます。
戦う敵が違う
原作小説「ぼくらの七日間戦争」では 、戦う相手は主に横暴な教員です。主人公たちはすべての大人に反旗を昼がしているわけではなく、明確に、自分たちを絞めつけ押さえつけようとする大人たちへの抵抗、反抗として戦います。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」の細かいストーリー展開は不明ですが、公式ページを見る限り、おそらく戦う相手は八千代綾の転校の原因となる八千代綾の父親。
また、バースデーキャンプをする古い石炭工場にひそかに潜んでいたタイ人の子供「マレット」を捕まえようとしている入管管理局なのかなという感じです。
タイトルの表記が違う
実は、タイトル表記が違います。
原作小説と実写映画版は「ぼくらの七日間戦争」
アニメ映画版は「ぼくらの7日間戦争」
アニメ版だけ7が数字表記です。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」と原作との共通点はあるのか
ここまで完全に違うと、そもそもオリジナルの小説が原作と言えるのか、に若干の疑問はありますが、それでも作者である宗田理氏公認の「原作小説との共通点」はあります。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」と原作との共通点
ストーリーも登場人物も全く違うアニメ「ぼくらの7日間戦争」。
それでも原作との共通点を探すとするならば、
- 大人への挑戦
- ユーモラスな戦い
91歳となった今なお現役でシリーズの新作を書き続けている原作者・宗田に、『ぼくら』の世界で現代の少年少女たちが戦う“7日間戦争”をアニメーションで表現したいと提案したところ、シリーズのテーマである“大人への挑戦”と“ユーモラスな戦い”を描くことを条件に再映画化を快諾。
出典元:Real Sound
確かに、私が熱狂的読者だった当時読み漁った「ぼくらシリーズ」全体を通して描かれていたのは、「悪い大人」に対して「ユーモラスなイタズラ」で持って闘いを挑むぼくらの話でした。
そこさえ押さえておけばぼくらシリーズと言ってしまっていい、というのは、原作への思い入れが強い私は若干不満ではあるのですが・・・令和時代のぼくらシリーズといえばこのアニメ「ぼくらの7日間戦争」が中心となるのは間違いなく、そこは受けれざるを得ないようです
「中山ひとみ」を宮沢りえさんが演じる
2019年9月30日に、なんと中山ひとみ役を宮沢りえさんが演じることが発表されました。
これは最大のサプライズだったのでは??
「中山ひとみ」とは、原作シリーズ、実写映画「ぼくらの七日間戦争」のヒロイン役を務める非常に重要な登場人物です。
実写映画「ぼくらの七日間戦争」では宮沢りえさんが初主演というのが話題になりましたが、その時演じたのがこの「中山ひとみ」
小料理屋「玉すだれ」の娘、という設定でしたが、予告編の短い映像を見るとやはり「玉すだれ」の文字が見えるので・・・おそらく玉すだれの女将になってますね、ひとみは!
家業を継いだんだね!
ひとみが出るんだったら、菊池は、相原は、純子(すべて原作の主要登場人物)は出ないのか・・・と気になってしまいますが、ここはすっぱり、別の物語だと思ってあきらめようと思います。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」は令和時代の新しいぼくらシリーズと思ってみるべし
「ぼくらの七日間戦争」のアニメ化と聞いてテンションが上がった当時の読者、実写映画版のファンの方。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」は、まったくの別物として、切り離して考えたほうがよさそうです。
映画版リメイクじゃないし原作とも全然違うということを踏まえて見ないと、「こんなんぼくらの七日間戦争じゃなーい!」「菊池を出せ!相原を出せ!」と叫びたくなってしまいそうです。
アニメ映画「ぼくらの7日間戦争」は、あの頃子供だった私たちの思い出の映画ではないでしょうが、令和を生きる今の子供達の心に残る映画になればいいのです。
そうしたら、この映画を見て原作に興味を持った子供や学生が原作を手に取ることで、オリジナルの「ぼくらシリーズ」が世代を超えて生き続けることになるのでしょうし。
それでは~映画公開楽しみにしてます。